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黄金分割の家

黄金分割で形状と色彩を決めた家の記録
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北斎の神奈川沖浪裏を分析する。

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北斎の神奈川沖浪裏を分析したいと思っていた。ただ浮世絵の縦と横の比率が黄金値でないことから、最適な分析ができなくて躊躇していた。

考え方を今回切り替えた。浮世絵の絵を分析するのではなく、写真だと思って、自分が黄金分割で(黄金デザインで)トリミングしてみたいと思った。黄金デザインの原則に忠実にトリミングすることが、写真を美しく見せ、一番自分の美的センスと一致する構図であるはずである。このことを確認したくなった。

トリミング後の縦と横の比率を1:1.618にした。浮世絵もこのサイズで作られていたらもっとバランスが良かったのにと思う。便利さだとか、今までの習慣だとか、そんなもので左右のサイズを決めて欲しくないと思う。美的に最適なサイズを追い求めるべきである。

神奈川沖浪裏は波が主役で富士は脇役だとの解説があるが、富嶽三十六景の一枚であるから富士がテーマである。富士の山頂の中央ではなく左の角を主役の位置に配置した。この位置は固定して、絵を拡大して、画面が埋まるようにした。波の頭は接するのではなく、少し切れるようにした。紙の上に波が大きく広がるイメージである。

三つの小舟は二つの小舟に見えてならなかった。下と左の小舟が、頭の中で一つの小舟に思えた。右の小舟の舟尻に四人の頭が見える。下の小舟でも同じ4人が描かれているので、てっきりここが舟尻かと思った。ここが舟尻だと舟の先端は左の小舟に思えてくる。よく分析すると別の船なのだが。  
左の舟はいらないかと考えてみた。舟をよく見ると内部を良く描いている。北斎は小舟の中を見せたいのだと思った。波が容易に舟の中に入る簡単な構造であることを示したかったのだ。
下の絵の4人を二人にすれば良いのではないかと思った。

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黄金デザインのガイドを基本としてトリミングを実施した。家でも、家具でも、絵でも全てこのガイドで設計したり分析することが可能である。名画は自然とこのガイドと一致した構図となっている。寸法は一次黄金値になっていることが理想である。ここでのトリミングとは構図が一次黄金値になるように、拡大と移動を行って、黄金デザインに忠実な最適な部分を取り出すことであった。

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ガイドを隠すと黄金値と補助線がわかりやすくなる。

富士山も左右対称には描かれていない。左のスロープは緩やかで、右のスロープは急になっている。黄金デザインでは左右対称を嫌う。左右対称とはピラミッド組織であり、支配の構図である。支配は調和ではない。北斎も自然と対称を避けていたのではないか。



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グレーの部分が原画をトリミングして隠した部分である。


黄金デザインではある部分が黄金分割であるのではなる、全体も部分も黄金分割の黄金値であることが大切である。それが全体と部分の調和が生まれる。 調和とは違いが相手を活かしあうことである。部分が全体を生かし、全体が部分を生かすことである。波が富士を引き立て、富士が波を引き立てている。その波は全体も部分も黄金デザインになっている。

トリミングと分析を行って北斎の技量のすごさを実感した。修正することなく、一気に描いた北斎は天才で、この絵は名画だと思う。

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