芸術はすべて心である。 不染鉄
正しい美しい心が
からだに一パイになると
あふれてこぼれるようになると
いい美しい画になります。
芸術はすべて心である。
芸術修業とは
心をみがく事である。
NHK日曜美術館から
正しい美しい心が
からだに一パイになると
あふれてこぼれるようになると
いい美しい画になります。
芸術はすべて心である。
芸術修業とは
心をみがく事である。
NHK日曜美術館から
この画像は、近くの幼稚園に書いてあったものを数年前に撮影した。
仕事だと、自然と大きな案件を担当して、大きな仕事をしたいと思うものである。僕もそうだった。この紙に書いてあることはショックだった。仕事の大きさより、もっと大切なこと。それは心をこめること。その通りだと思う。以来、どんな仕事でも心をこめることを大切にしてきた。この紙の主旨は仕事だけではなく、全てのことなのであるが。
この黄金分割の家は自分の理想を具体化したかった。一つ一つを計画段階で時間をかけた。金額が決まり工事が始まると、変更は迷惑をかけることで、追加の費用が発生する。おそらく普通の家の計画の3倍以上は費やした。それは自分がどう住むのか? どのような家が理想の家なのか? 妻にとっての理想の家とは何か? 簡単には答えの出ない禅問答のようなものであった。長い時間と、多くの見学と、雑誌やネットで出来るだけ多くの画像を見ながら、時間を費やすことで答えが自然と浮かぶまで待った。暫定的に決めたことでも、あえて変更してみた。変更して戻すこともあった。この家の計画では、心を込めたつもりである。そのことでの後悔はない。
上野の文化会館の天井は照明がランダムに配置され気持ち良い。おそらくモジュロールに従って配置されていることだろう。コルビジェと弟子の前川國男らによって設計された。コルビジェ建築の良さは黄金分割を適用したモジュロールにある。等間隔をさけ、対称をさけ、1/2を避けて、黄金分割で寸法を決める。その設計の良さは天井の照明配置を見ただけで感じてしまう。
1月に新潟市美術館に行った。前川國男の設計だった。文化会館より新しい建物だ。天井を見てがっかりした。この照明は、等間隔の繰り返し、整列、ではないか。調和ではなく支配の配列だ。
コルビジェの手伝いをして何を学んだのか?この天井の照明をコルビジェが見たら、怒りだすに違いない。
前川國男はモジュロールの意義を全く理解していなかったのだ。つまり黄金分割の意味を理解していなかったのだ。
側に居ながら。
モジュロールは音楽の五線譜のようなものだ、日本人のセンスでコルビジェのデザインより素敵なものはいくらでも作れる。日本人なら黄金分割の本質を理解できるはずである。
前川國男は本質を理解していないから、平気でこんな照明の配置をしてしまうのだ。彼が帰国後に建築した自宅も左右対称だった記憶がある。
天国でコルビジェに怒られても怒られる理由が解らないのではないかと思う。
前の記事で等間隔のフローリングは良くないと書いた。
HOUSE & GARDENの2017年の8月号を漠然と見ていたら、目地が等間隔になるのを避け、板幅を色々変えたフローリングの写真があった。手間がかかっても、室内の雰囲気を考えたら、板幅はこのように変えるべきである。対称を避け、等間隔を避け、同じものの繰り返しを避け、1/2を避ける。調和の第一歩はここから始まる。板幅を黄金値にすれば、簡単にうまく行く。
僕は等間隔は調和ではないと思っている。等間隔は統制であり、支配だ。調和ではない。等間隔が美しいと思う人は、軍隊の整列や行進が綺麗に揃っている事が美しいと思う人だ。
家庭画報で外壁が等間隔でない建物を見つけた。
焼杉で黒く、等間隔でない。理想の外壁である。
調べたら
COMICO ART MUSEUM YUFUIN - 隈研吾建築都市設計事務所
kkaa.co.jp/works/architecture/comico-art-museum-yufuin/
である。
板としての外壁の写真があった。一見では等間隔でないので嬉しかった。
しかし、よく見ると何か不自然だ。調和の感じではない。
分析をした。
板の幅を大中小でC,B,Aとして並びを表示した。
左右対称の繰り返しであった。せっかく等間隔の繰り返しをやめるなら、部分的な繰り返しや左右対称も避けるべきだ。この程度の調和の原則は、黄金分割の家を担当した大工さんたち全てが指摘していた事だ。黄金分割の家の前の黒塀で一箇所の柱が等間隔だった。そこが美しくないと、大工さんが自発的に、柱を購入しにホームセンターに車を走らせてくれた。
隈研吾よ、もっと美的センスを磨きたまえ。等間隔の繰り返しでは街の大工さんに笑われるぞ。
他の写真を見ると等間隔の繰り返しだ。
がっかりである。
椅子の色まで繰り返しだ。繰り返しを避ける配置や中間の色の椅子を設ければ良かったと思う。
無垢のフローリングなら等間隔は避けて欲しいです。
黄金分割の家では金額の問題でできませんでしたが。
冬でも緑や花が残っていた庭は記録的な大雪に一月以上埋れてしまった。5月になり、雪があったことを忘れてしまうように花々が元気に花を付け始めた。
花は逆光から写真を撮るのが好きだ。ブロックの塀を黒く塗った効果が写真を撮りやすくしている。
低い黒塀も道路と駐車場を隠してくれる。
手前の庭を見るために低い位置に設置した窓である。間柱を考えて横の長さを短く計画してしまった。もう少し長くすべきだった。
構造の観点からできないと言われる人がいる。どんな要求でも応じるのが構造設計者の役割で、木造は自由度が高いから、どんな要求にも答えられるはずである。ただ、無理をすれば、コストと耐久性で劣ったものになる。
家を黄金分割で計画すると、構造的にも優れたものになる。いつかこのことが常識になるまで、言い続けるつもりだ。